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オーストラリアで無料(メディケアで自己負担なし)で受けられるがん検診

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こんにちは、Ruiです。

オーストラリアでは、職場などで定期的に健康診断が行われず、自治体などから低額で受けられるものもありません。体調が悪くなると一般医(GP:General Practitionor)に診てもらい、必要がある検査を受けるか、専門医(Specialist)を紹介してもらうという流れ。個人で人間ドックを定期的に受けることも高額になるので一般的ではないです。

なので、わたしもオーストラリアに移住してから定期的に行ってきたのは、6ヶ月ごとの歯科検診・クリーニング(メディケアではカバーがなく、民間医療保険でわたしの場合費用の60〜70%カバー、自己負担A$100前後)と、2年ごと(2017年4月からは5年ごと)に検診のお知らせが届きメディケアでカバーされる子宮頸がん検査。それと、オーストラリアは日差しが強いので皮膚がんチェックを1〜2年に一回(メディケアで部分的にカバー、A$50ほどの自己負担)。

ここ数年、体調が思わしくないことが多く、体のメインテナンスをもっとちゃんとしていこうと思っていたところ。オーストラリアのメディケア(Medicare)保持者のわたしが、どんながん検診を無料で、いつから受けられるのか(受けるべきなのか)気になったので調べてみました。

オーストラリアで無料(メディケアで自己負担なし)で受けられる癌検診

現在、以下のオーストラリア政府・保健省による3つの検診が無料(メディケアで自己負担なし)で受けられます。

  • 大腸がん(Bowel cancer)検診
  • 乳がん(Breast cancer)検診
  • 子宮頸がん(Cervical cancer)検診

大腸がん検診

大腸がん検診プログラム(NBCSP: National Bowel Cancer Screening Program  英文)。

受診資格は2024年7月時点で45〜74歳です。2年に一回郵送で検査キットが送られてきて、2日にわたって採便、郵送で検査機関に送り返します。結果も郵送で送られてきます。

オーストラリアでは23人に1人が大腸がんに罹り、これは世界的にみて高い数字。

乳がん検診

乳がん検診プログラム(National Breast Cancer Screening Program 英文・Breast Screen Australia)。

受診資格は50〜74歳の女性で2年ごとのマンモグラフィ(Mammogram )による検査。

希望の場所で検査の予約を入れるには、13 20 50(BreastScreen Australia Program Contact)に電話をします。

クイーンズランド州にお住まいの場合は、breastscreen.qld.gov.au よりオンライン予約ができます。

わたしの住んでいるクイーンズランド州では、40〜75歳の女性は無料でマンモグラフィー検査が受けられます(推奨年齢は50〜74歳)。

This program is designed for women without symptoms of breast cancer and actively encourages women 50 to 74 years to participate as this age group is most at risk of developing breast cancer. Women in their 40s or 75 years and over can also participate in the BreastScreen Queensland program.
https://www.qld.gov.au/health/conditions/screening/cancer/breast

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子宮頸がん

子宮頸がん検診プログラム(National Cervical Cancer Screening Program 英文)。

一般医(GP)と検査のための予約をとります。わたしは必ず女医さんを希望。

2017年12月から、今までのパップスミア検査(採取した子宮頸部の細胞をチェックする検査)から、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV: Human Papillomavirus)をチェックする新しい検査に変わり、2年ごとだったのが5年ごとの検診に

子宮頸がんは最も予防可能ながんの一つで、新しい検査では今までと比較して、さらに30%の女性を子宮頸がんから守ることができると期待されているそう。

この検査の対象になるのは25〜74歳の女性。旧式のパップスミア検査を最後に行った日から2年後、その後は5年ごとの検査です。

子宮全摘手術または部分的な子宮摘出手術を受けた場合は、検診について医師にご相談くださいとあります。(If you have had a full or partial hysterectomy, please check with your doctor about screening.)

おわりに

以上、オーストラリアでメディケア(自己負担なし)で受けられるがん検診についてでした。癌の早期発見のために検査推奨年齢に達したら、欠かさず受けておきたいところです。

定期検診はこれだけ。なので、体調が悪かったり、体に異常を感じたら、とにかく早めにドクターに診てもらい、検査年齢に達してなくても、積極的に必要な検査を受けていくべきですね。

日本一時帰国時に人間ドックを受ける方もいますね。海外在住だと日本の健康保険がない場合が多いと思いますが、人間ドッグは自由診療(保険外治療)のためどちらにしても全額自己負担になります。それでも日帰りの場合3〜7万円が相場のようです。

オーストラリアの医療システム

最後に、オーストラリアの医療システムについて、概要です。

基本構造

オーストラリアの医療システムは、以下の5つの主要な機関に分かれています:

  1. 一般開業医(GP: General Practitioner)
  2. 専門医(Specialist)
  3. 病院(Hospital)
  4. 薬局(Chemist)
  5. 検査機関

一般開業医(GP)

オーストラリアでは、どのような症状でもまずGPを受診します。GPは内科、外科、小児科など幅広い診療を行い、必要に応じて専門医や検査機関への紹介を行います。日本のように直接専門医に行くことはできず、GPの紹介が必要です。

健康に関することをなんでも相談できる一般医・家庭医(GP)がいると安心です。

専門医と病院

GPが専門的な診断や治療が必要と判断した場合、専門医への紹介状を用意してくれます。専門医の予約は数週間から数ヶ月待つことが一般的です。緊急の場合は直接病院の救急外来を利用します。

わたしはGPから専門医を紹介してもらって2回手術をしたことがありますが(一回は盲腸で緊急、もう一回は計画手術)、民間医療保険をつけているので計画手術でも専門医との予約が1週間後にとれ2週間後には手術ができ、そして専門医を選ぶことができました。

薬局と薬剤師

薬剤師は一定の権限を持ち、GPを受診せずに薬局で購入できる薬もあります。

医療保険

オーストラリアでは1984年よりユニバーサルヘルスケアが達成されていて、所得に課されるメディケア税を原資とし政府一般税収も投入されています。

医療保険は、公的国民健康保険(Medicare)と民間医療保険の2種類があります。Medicareはオーストラリア国民と永住権保持者が加入でき、多くの医療サービスを無料または低価格で受けることができます。短期滞在者や留学生は民間の保険に加入する必要があります。

オーストラリアでアメリカの会社で働いていた時は、民間医療保険の保険料は全額会社が負担してくれていました。日系の会社、オーストラリアの会社ではそのような福利厚生はありませんでした。

まとめ

オーストラリアの医療システムは、まずGPを受診し、必要に応じて専門医や検査機関に紹介されるという段階的な構造になっています。これにより、医療費の削減と効率的な医療提供が図られています。

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