40代で帯状疱疹に罹り、後遺症の帯状疱疹後神経痛(PHN)は幸い軽い方ですが、次に帯状疱疹に罹って酷い神経痛が残るのは嫌だな、予防したいと去年から帯状疱疹ワクチン接種を考えていました。
目次
帯状疱疹とは?
帯状疱疹は、子供のころにかかる水ぼうそうのウイルスが、神経に潜伏し続けて免疫力が下がったりストレスなどをきっかけに再活性化して発症します。年齢が上がるとともに発症率が上がります。
顔に発症すると目や耳の神経を傷つけ視力低下や失明、難聴、顔面神経麻痺などの後遺症が残ることがあります。80歳までに3人に1人は帯状疱疹に罹り、帯状疱疹後神経痛は50歳以上で帯状疱疹になった約2割の人に残ると言われています。
帯状疱疹罹患
わたしが帯状疱疹にかかった時は子宮筋腫の症状による鉄欠乏性貧血が続いてた時期、きっと免疫力が下がっていたのでしょうね。40代での罹患は珍しいとGPに言われました。
発熱と全身の痛みでかかりつけ医(GP)に診てもらい、インフルエンザの検査をして陰性。翌日、上半身右側面のみに10センチくらいの帯状の赤い発疹を見つけ再度受診して帯状疱疹との診断がつきました。
わたしはアトピー体質なので発疹があっても帯状疱疹だとは思いませんでした、うっかり見落とすところでした。
発症から72時間以内に摂り始めると効果が期待できると言われている抗ウイルス薬、ギリギリ間に合いました。
階段の上り下りも辛い痛みがなかなか治らず、帯状疱疹後神経痛治療剤リリカが処方されました。
仕事は1ヶ月もお休みすることに。帯状疱疹に罹ったら感染を防ぐため、特に赤ちゃんや妊婦さんとの接触は避けるよう言われています。職場に妊婦さんがいたので、しっかり治るまで出社しないように強く言われました。
帯状疱疹ワクチン(シングリックス)を接種することに
GP(かかりつけ医)に相談し、自費(2回接種でA$450-A$550位)になりますがオーストラリアでもちょうど2021年6月から(日本では2020年1月に発売)有効性が非常に高いワクチン、シングリックス(Shingrix)が接種できるようになったのでこちらを受けることに決めました。
この1年は新型コロナワクチンの接種もあるし悩みましたけどね。
オーストラリアで受けられる帯状疱疹ワクチンの予防接種
オーストラリアでは50歳以上の人に帯状疱疹ワクチンの予防接種が推奨されています。
わたしが接種を受けた時(2021年末)は、従来型の生ワクチンZostavax(1回接種)と 乾燥組換えワクチンShingrix・シングリックス(2回接種必要)の2種類があり、70歳以上はMedicareで自己負担なしで従来型の生ワクチンZostavaxが接種可能でした。
従来型生ワクチンの帯状疱疹の発症予防効果50%程度、3年から5年ほど効果が持続と言われているのに対して、シングリックスは97%と非常に効果が高く効果が9年は持続することがわかっています(GPによると持続期間もっと長いかもと)。
シングリックスは1回目の接種から2ヶ月後(〜6ヶ月後まで)に2回目を接種する必要があります。
【追記:2024年3月6日】全国予防接種プログラム(NIP)で接種可能な帯状疱疹ワクチンの変更
2023年11月1日より、オーストラリアの全国予防接種プログラム(NIP, The National Immunisation Program)で接種可能な帯状疱疹ワクチンの変更があり、Zostavaxワクチン(従来型の生ワクチン)からShingrixワクチンになりました。
Zostavaxワクチンと異なり、新しいShingrixワクチンには生きたウイルスが含まれていないので、免疫不全の人でも18歳以上であれば帯状疱疹のワクチン接種を受けられるようになりました。
全国予防接種プログラム(NIP)に基づく無料の帯状疱疹ワクチン接種(Shingrix 2回接種)を受けることができる対象者:
65歳以上、または50歳以上のアボリジナルおよびトレス海峡諸島民、18歳以上の帯状疱疹による合併症のリスクが高い人。
○People aged 65 years and over
○First Nations people aged 50 years and over
○Immunocompromised people aged 18 years and over with the following medical conditions:
– Haematopoietic stem cell transplant
– Solid organ transplant
– Haematological malignancy
– Advanced or untreated HIV
参考資料:
Australian Government – Department of Health and Aged Careによる帯状疱疹ワクチンに関する 情報(英語):
https://www.health.gov.au/topics/immunisation/vaccines/shingles-herpes-zoster-immunisation-service
無料接種の対象か医療機関で確認ください。
プログラム変更後もわたしの場合(65歳以下)は、やはりShingrixは自費での接種となります。
GSK社によるシングリックスワクチンを受ける方へのガイド
シングリックスワクチンの詳細、副反応などについて書かれています。
GSK社のシングリックスワクチンを受ける方へのガイド
(英語):
https://au.gsk.com/media/6243/shingrix_cmi_au.pdf
(日本語):
https://jp.gsk.com/media/7798/shingrix-guide_202306.pdf
シングリックス(Shingrix)ワクチンを薬局で購入 シングリックスの値段
以前、タイにプチロングスティする前に、予防接種(A型肝炎、B型肝炎、腸チフス)を受けた際も同じだったのですが、シングリックスもGP(かかりつけ医)から処方箋をもらい、薬局で購入して、GPで予約した接種日時にワクチンを持ち込んで打ってもらいます。
処方箋をもらってすぐに近くの薬局へ行きましたが在庫がなかったので、注文し翌日の午後に受け取りました。A$300以上のお会計だったので、GPには1回接種分のワクチンの値段はA$250位と聞いていたけど?と確認すると、薬局ごとに同じワクチンなのに価格設定が違うとのこと。で、他の薬局で売られてる価格にプライスマッチしてくれて、A$281で購入。
翌日の午前中に到着するということでしたが、1時に電話して確認したらその日はなぜか配達遅れてて、まだ届いてないと。3時ごろやっと到着。
シングリックスワクチン1回目接種
薬局でワクチンを受け取り、すぐにGPに電話をして接種の予約を30分後に入れました。いつも診てもらっているGPが問診、ワクチンの確認をした後、接種してくれたのは看護師さんでした。
看護師さんによると、かなりの方にシングリックス接種してきてるけど、2回目も含めて強い副反応は報告されていないと。
新型コロナワクチンと同じく腕の筋肉内に接種。痛みもほとんど感じず、もう終わったの?という感じでした。新型コロナワクチンの時と同じ感じ。接種後30分、クリニックの待合室で体調に変化がないか様子をみるため椅子に座って待機、何事もなく帰宅。
シングリックス ワクチン1回目接種後の副反応は?
接種1日目
午後3時半ごろに接種し、2時間後くらいから左腕注射部位の痛みが強くなり始めました、新型コロナワクチン接種時よりかなり痛く感じました。ちょっと触るだけでも痛く左腕を上げることが全くできません。この腕の痛みは接種3日目くらいからやわらいできました。
午後9時、体温は36.60度。わたしの平熱は低く36度ちょっとのことが多いです。
夕食後、疲労感で早めに就寝しようとしたのですが、午後10時ごろ下痢に。これも副反応のよう。
午後11時に眠りにつき、翌朝までぐっすり眠れました。
接種2日目
朝から身体中の筋肉?関節?が痛み、倦怠感が強く一日ベットで横になってました。
食欲は多少減退、通常の半分位の量を食べれてます。スポーツドリンク、ゲータレード(Gatarade)で水分補給。
昼食後、鎮痛剤ニューロフェン(Nurofen)を一錠摂りました。
午後8時ごろから軽い頭痛が始まり、体温は36.90度、熱はそんなには上がらないですね。
夕食後、パナドール(Panadol)とニューロフェン(Nurofen)を一錠ずつ摂って就寝。
接種3日目
昨夜は身体の痛みで寝付けず。
朝から頭痛がひどくなり(片頭痛みたい)、吐き気、嘔吐で1日飲食できず(スポーツドリンクも受け付けず、無理やりお水を少しでも飲むように)、薬も飲めない状態。今日もベッドの上で過ごします。
発熱はなし。
身体の痛みは夜11時ごろからやわらいできて、接種部位の腕の痛みもあまり気にならなくなってきました。
接種4日目
昨夜はまあまあ眠れ、頭痛、吐き気は昨日よりましになってきたので、制吐剤(Prochlorperazine)を吐かずに飲むことができ、午後から飲食ができるようになりました。この制吐剤は、持病の片頭痛で吐き気、嘔吐の際にも服用しているお薬です。
おにぎり、スイカを昼食に食べ、パナドールとニューロフェンを一錠ずつ飲みます。
夜には身体の痛みはほぼなくなり、頭痛も軽くなってきました。就寝前にパナドールとニューロフェンを一錠ずつ摂ります。
接種5日目
朝には回復、体調戻りました。
おわりに シングリックスワクチン接種一回目を終えて
わたしは新型コロナワクチンはアストラゼネカを2回接種しましたが、その時の副反応よりシングリックス接種後の副反応の方が断然強く想像していたより辛かったです。
注射部位の痛み、筋肉痛、疲労感、頭痛、悪寒、発熱、胃腸症状などが予想される副反応で7日以内には多くの副反応は弱くなっていくとのこと。
人によってどの症状がどのくらい出るのか打ってみるまで分からないので、シングリックスワクチン接種日から数日はスケジュールを空けておくことをおすすめします。
シングリックスワクチン接種から2週間あければ、新型コロナワクチンの接種が可能です。